OUTATBERO presents『you know』

3月6日にクラブメトロで開催されたOUTATBERO presents『you know』。Crypt City(クリプトシティ)、Qomolangma Tomato (チョモランマトマト)、CARD(カード)、OUTATBERO(アウトアットベロ)が出演した。以下、ライブ評を記しておく。

CARD


LOSTAGEギタリストである清水さん&中野さんが新たに始めたCARDがトップバッターで出演。スタジオライブで見て以来なので二度目となる。USインディー、オルタナティブの系譜を継いだバンドサウンドで、激しめの曲は少なく、どの曲も後半に差し掛かるとぐっと響いてくる。中野さんの淡白でいて純な声は体に染みいってくるし、日本語歌詞を選んだところもよい。特にマラカスが入っている曲は、CARDの核になる出来で、多くの人に聞いていただきたい。この曲を含めたEPが名古屋のSTIFF SLACKから4月にリリースされる。LOSTAGEを聞いているリスナーはもちろん、気になる方は手に取って欲しい。バンド名もかっこいいしね。

Qomolangma Tomato


二番手はQomolangma Tomato。一曲目のベースの音が浮いているように聞こえて合わないなと思っていたが、やはりトラブルだったようで10分強の中断。再開後は徐々にペースを取り戻したものの、完全には入り込めなく、悔いが残るライブとなった。新しいベーシストが加入し、徐々にしっくりきているような雰囲気は感じられたので、次回はがっつり見たいな。チョモにおける、ポエトリーリーディング調の曲は唯一無二なサウンドだと考えているので、この方向で進んでいただきたい。とは言っても、決めるのは彼ら。縦横無尽に駆け抜けてほしい。

OUTATBERO


続いて本日の企画者であるOUTATBERO。昨年9月にリリースした初のフル・アルバム『cuprunoid』は私の知る限り、多くの人に聞いてもらえたのではないかと思う。RadioheadBjorkBlonde Redheadから日本のアンダーグラウンドミュージックのリスナーに勧めたいバンドである。また、ボーカルのビンゴ君は会場であるクラブメトロのスタッフでもある。同時に京都の代表的なバンド「Fluid」のメンバーとしても活動している。彼らには期待せざるを得ないわけで、心から応援していきたいと考えている。この日の客入りも上々で、注目度も上がってきているのでは、と思った。
さて、ライブであるが、2ndアルバム制作中とのことで、新曲が多めのセットリスト。音のダイナミズムが増し、バンドとしてもまとまりが出てきたように感じた。アルバムはとても楽しみである。あなたの街にOUTATBEROがやってくるのであれば、ぜひ見に行っていただきたい。

Crypt City


ラストはCrypt City。元ナンバーガールSPIRALCHORD中尾憲太郎氏がベースを担当しているため認知度は高いが、他のメンバーもとにかく卓越している。GeGeGeGeQuartetZskillkillsのドラマー、そしてギターはセブ、ボーカルにディーンと、長髪の外タレ(さながらヒッピー)を抱えている。見た目は反則的な格好よさであるが、音のすごみも恐ろしい。肉体的でいて、唸りをあげる音楽と言えばよいのだろうか。ハードコアやパンクを通過したオルタナティブサウンドで、芯は太い。浮遊感も気持ちいい。ライブを頻繁に行っているようなので、早めに見に行った方がいいかも。動画も上がっているので貼っておこう。