Big Heavy Stuff - Maximum Sincere (1997)

マキシマム・シンシア

マキシマム・シンシア


このバンドは一体どのくらいの認知度があるのだろう? 国内盤はクアトロレーベルから出ているのだけども、あまり売れなかったのだろうな、と容易に判断できる。なんせ、ネットで検索しても、日本語のページがほとんど存在しないのだから。ああ、これは僕が書いて、彼らの存在価値を高めるべきだな、数少ない熱心なサーチャーのためにも水先案内人になろう。


rateyourmusic.comの批評では★3つ、「チープなBUSHだ」と。まあ、当たっている。

http://rateyourmusic.com/release/album/big_heavy_stuff/maximum_sincere/


さて、Big Heavy Stuffの説明に入ろう。彼らは1990年にオーストラリアで結成され、1991年に6曲入りのアルバム『Pops Like Crazy』でデビュー。その後、6枚ほどリリースし、1997年のアルバム『Maximum Sincere』で、人気を博したようである。


この『Maximum Sincere』、思いきったようにグランジ色の強い曲が並んでいる。例えて言うなら、NIRVANAのがなり声を解釈後、Smashing PumpkinsOasisにおける音の広がり方をちょい足し、BUSHやSoundgardenPearl Jam他、グランジロックよろしく。そして微妙にエモーショナル(ここが気に入っている)。


アルバムの前半戦は、特にグランジサウンドで突っ走っている。ノイジーなギター、パワフルなドラム、芯の太いベース、そしてかすれ声のボイス。アメリカのバンドかと思いきや、オーストラリアなのが面白い。


切ないギターリフから始まるM1「Eric Remains」はスローテンポで、非常に地味な曲であるが、さらりと聞かせてしまうところがニクい。スマッシュヒットのM2「Birthday」。Foo Fightersばりの思いきった太いギターリフが気持ちいい。グルーヴに負けないボーカルも魅力的で、いいバンドなんだな、と音で伝わってくる。続いてM3「Train Stops Here」はグランジ全開な1曲。好きな人はハマるだろう。


スマッシュヒットしたらしいM4「May」。これはYouTubeに上がっていた。



グランジではあるが、いい具合にポップで、まとまりのある曲。1:50あたりのギターリフ、そしてドラムが異様にエモーショナル。


その他の曲についてだが、落ち着いたものが多い印象を受ける。ノイジーなギターリフが根底にあるのは確かだが、アコースティックでの弾き語りから生まれたものが多いのかもしれない。


このBig Heavy Stuffは2004年に『Dear Friends and Enemies』をリリースし、その後、空中分解してしまったようである。MySpaceYouTubeで聞く限り、後期はゆったりとした曲調が多かったようである。


今回紹介した『Maximum Sincere』はパワフルで切なさも垣間見えるグランジサウンドの中に、一瞬の穏やかさを感じさせる作品。秀逸なアルバム、という高みには達してないかもしれないが、一聴の価値はあるだろう。

Big Heavy Stuff - Maximum Sincere (1997)
クアトロレーベル (Parco)

  1. Eric Remains
  2. Birthday
  3. Train Stops Here
  4. Son in Law
  5. May
  6. Maximum Sincere
  7. Voodoo Dolly
  8. Third Degree
  9. Mechanic
  10. Bigmouth
  11. Cheating on a Dead Wife
  12. All for One
  13. Anne Marie
  14. Not Another Riot

Like... : NIRVANA / BUSH / FOO FIGHTERS / SOUNDGARDEN / PEARL JAM / SMASHING PUMPKINS / RADISH

10点評価:6.5点


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